ランドセルアドバイザー
ランドセルの歴史とは?発祥・起源から現代までの変遷を徹底解説

小学校入学を迎える家庭にとって、ランドセルは欠かせない存在です。日本では通学かばんの定番として親しまれていますが、この箱型のかばんは日本独自の文化であり、もともと子ども用ではなかったことはあまり知られていません。
ランドセルは、時代背景や教育の考え方の変化とともに姿を変えながら、現在の形へと定着してきました。本記事では、ランドセルの定義や起源を押さえつつ、その歴史を分かりやすく解説します。
目次
そもそもランドセルの定義は?

ランドセルとは、箱型で、背中に背負って使う通学かばんのことです。
ランドセルには、次のような特徴があります。
● 教科書や学用品を整理して収納しやすい箱型構造
● 背中に背負うことで両手が空き、通学時の安全性が高い
● 世界的に見ても珍しい、日本特有の通学文化
● 小学校6年間の使用を前提とした高い耐久性
では、この日本独自のランドセルは、いったいいつ、どのように生まれたのでしょうか。
ランドセルの起源は江戸時代|語源はオランダ語の「ランセル」

ランドセルの歴史は学校教育よりも古く、幕末に西洋から伝わった軍隊用の背嚢(はいのう)が起源とされています。
江戸時代末期、日本には西洋の軍事制度とともに、兵士が装備を運ぶための背負い袋が輸入されました。これが、ランドセルの原型とされているのです。
ランドセルという名称の由来も、この軍用品だと言われています。
● オランダ語の「ransel(ランセル)」が語源
● 発音の変化により「ランドセル」として定着
● 当初は子ども用ではなく、軍人の装備品だった
この実用的な背負い袋が、後に通学かばんとして使われるようになりました。
【明治時代】ランドセルが誕生

軍用品として伝わった背嚢は、明治時代に入ると教育の現場で使われ始めます。ここから、ランドセルは通学かばんとしての歴史を歩み始めました。
実は、学習院がランドセル発祥の地
しかし、名門として知られる学習院では「通学に身分差を持ち込むべきではない」という考えのもと、通学時の平等を重視する方針を打ち出し、馬車や人力車、使用人による荷物運びは禁止します。
その結果、子どもたちは自分で学用品を持ち運ぶ必要が生まれ、両手が空くリュックサック型の背嚢(背のう)が通学用として使われ始めたのです。
この「身分に関係なく、自分の荷物は自分で持つ」という学習院の理念が背負い式の通学かばんを普及させ、のちのランドセル文化の土台となったのです。
箱型ランドセルの誕生と「学習院型」の確立
明治20年(1887年)、伊藤博文が大正天皇の学習院入学祝いとして箱型の通学かばんを献上したことが、その始まりとされています。
その後、ランドセルに使われる素材は黒革に統一され、形状や寸法も細かく定められるようになりました。明治30年には基本的な形が完成し、のちの「学習院型ランドセル」として定着していくのです。
【昭和~平成】ランドセルが全国に普及するまで

誕生したランドセルは、すぐに全国へ広まったわけではありません。当時の社会情勢や経済状況が、普及のスピードに大きく影響したのです。
ランドセルが一般家庭に広く普及したのは、昭和30年代の高度経済成長期以降。それ以前は革製ランドセルが大変高価だったため、風呂敷や布製かばんで通学する子どもが多く見られました。
戦後の経済成長と生活水準の向上に加え、人工皮革「クラリーノ」の登場したことによって、軽くて扱いやすいランドセルが全国へと広がっていきました。
現代のランドセルはどのように変わった?

時代が進むにつれて、ランドセルは「丈夫な通学かばん」から「子どもの個性を表現するアイテム」へと役割を広げていきます。現代ならではの変化を、色や機能の面から見ていきましょう。
カラフルになったのは平成〜令和時代
近年では、性別による色分けにとらわれず、子どもの好みや個性を尊重する考え方が一般的になっています。
素材と機能の進化
ランドセルは海外でも人気に!?

日本のランドセルは、品質とデザイン性の高さから海外でも評価されています。近年では、日本メーカーが大人向けランドセルを開発し、通勤バッグやファッションアイテムとして展開する動きも。
耐久性や実用性が評価され、欧米やアジアを中心に海外進出も進んでおり、ランドセルは日本文化を象徴する存在として新たな広がりを見せています。
まとめ

ランドセルは、軍用品を起源に、日本独自の文化として発展してきました。教育理念や社会の変化、技術革新を取り込みながら、ランドセルは時代ごとに姿を変え、現在も小学生の通学を支え続けています。
その歴史を知ることで、ランドセルは単なる通学かばんではなく、子どもの成長を見守る存在であることがより深く理解できるでしょう。





